漆芸作家・阪本修さんにお話をうかがいました

先日、奈良伝統工芸後継者育成研修(NCCP)プログラムの一環で、奈良を拠点に活動されている漆芸作家・阪本修さんにインタビューする機会がありました。

漆塗りといえば、つるつるとした光沢のあるお椀を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ですが、阪本修さんの作品に初めて触れたとき、思わず「これ、本当に漆ですか?」と聞きたくなるような、そんな驚きがありました。

マットでざらっとした手触り。光を抑えた静かな黒。

いくつかの作品を直接拝見しましたが、漆の表現にしても、木くずや卵の殻を使ったりと、まるで陶器のような雰囲気を感じさせる作品が印象的です。私は伝統工芸については素人ですが、素人目にもどこか静けさをたたえつつも、芯の強さを感じるような、そんな佇まいだなと思いました。

漆は、きちんと作れば、10年、20年、さらにはそれ以上も使い続けられる素材。
阪本さんの作品には、長く付き合える器としての強さと優しさがあります。

ご自身も「自分の作品を10年使ってみて、まったく問題ない」と語ってくださっており、見た目の質感だけでなく、実用性も兼ね備えた作品です。

というわけで、思わず購入してしまったのが、こちらのお皿です↓

手に取った瞬間、「あ、これだ」と一目惚れでした。

シンプルなのに深い、マットなのにどこか艶がある黒。漆でここまで表情を出せるのかと驚きました。

価格は11,000円。正直「もっと高くても良いのでは」と思い、思わずご本人にも伝えてしまったほどです。
実は、私が4~5年前に開催した「価格設定セミナー」にご夫婦でご参加いただいていたそうです。
しかも、当時のセミナー資料を今も持ってくださっているとのこと…!
覚えていてくださっていたことも本当に嬉しかったですし、何よりその言葉に背筋が伸びる思いがしました。

なお、奥様は奈良伝統工芸後継者育成研修(NCCP)の卒業生で一刀彫を学ばれており、ご夫婦で作品づくりと販売を支え合っている姿にも心を打たれました。

阪本さんの作品は、奈良や東京のギャラリーやクラフトフェアなどで出会えることがあります。
もし見かけたら、ぜひ実物を手に取ってみてください。きっと、触れた瞬間に感じる「漆のちから」があるはずです。

最後に、お知らせが2つあります。

①阪本さんはなら工藝館にて「金継ぎ教室」を実施されますので、ご希望の方は1月26日までに、なら工藝館にお申込みください。
詳しくは、下記ボタンより、なら工藝館のサイトをご確認ください。

②2026年1月31日(土)に、NCCPの公開講座【これからの工芸と経営とデザイン】が開催されます。

日時:2026年1月31日(土)15:00~17:00

場所:BONCHI 4階(TEN)
講師:有限会社セメントプロデュースデザイン代表取締役社長/クリエイティブディレクター 金谷勉氏

内容:全国の工芸・ものづくりの現場を数多く見てきた金谷氏を講師に、これからの時代に求められる「工芸のあり方」を探ります。

現代の暮らしと使い手に寄り添うデザイン、持続可能な経営について、作り手が一歩先を行くためのヒントとなるお話をします。

※こちらの公開講座は満席となったため、現在募集を停止されています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA